革靴を磨いているか。

夢をかなえるゾウを読んだ。内容は、冴えない若手サラリーマンの前に、ガネーシャというインドの神様が出現するシーンから始まる。あっけにとられる主人公に、ガネーシャは人生でうまくいくための重要な教訓を1つずつユーモアを交えて紹介していく。その思いに主人公も答え、少しずつ成長していく物語である。

要するに、小説兼自己啓発本なのだ。そしてその一個目の教えは、「自分の靴を磨け」というものであった。なぜ革靴を磨くと人生がうまく行くのか、その理由は書いていなかったが、もともと凝り性な僕は早速シューケアに関してリサーチを始めた。

その結果をもって、阪急メンズ館でケア商品を買いあさってきた。
一度整理してみようと思う。
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工程1:汚れ落し
外で歩き回った靴には、埃や泥といった1日分の汚れがこびりついている。まずはこれらの汚れをブラシで落とす。この汚れ落とし用のブラシは、馬毛が良いと言われている。柔らかく、隅や入り組んだ部位まで毛先が届きやすいのだ。優しく満遍なく、1日頑張ってくれた革靴をいたわりながら、ブラシをかける。
汚れが多い場合は、リムーバーを使用しても良い。



 工程2:クリーム塗りこみ
油分と色味を皮にもたらす、大事な工程だ。革靴用のクリームは多くの会社から発売されているが、僕は恋愛工学の祖、KazuFujisawa氏がメルマガにて勧めていた、イギリスのエムモゥブレィ社の商品を愛用している。伸びがよく、色味も素敵である。クリームの塗りこみは専用のアプリケーションブラシにて行うこともできるし、手で直接塗り込んだりもする。
塗り込んだら、硬くてコシのあるブラシでクリームを浸透させていく。この際のブラシは豚毛が良い。僕はこの商品を愛用している。
工程3:ツヤ出し
この工程はおまけである。クリームの渋いツヤが好きな人は、2の工程の後、ナイロンストッキングにて全身をやさしく拭き、ツヤを出す。紳士の身だしなみバイブル [新版]男の服装術 スーツの着こなしから靴の手入れまで には、使用するストッキングに関して、極めて重要な指摘がなされている。

たいていの人は、奥方の使用済みのストッキングを用いるはずだが、若い愛人のストッキングでも一向に構わない。愛人のストッキングで磨いた方がツヤが出ると感じるのは偏見である。奥方より愛人のストッキングの方が、高価であるという単純な理由に過ぎない」とのことだ。バカの極みである。

ところでもしあなたが、まるで濡れているような艶を求める場合、ワックスを使用することになる。ワックスを塗りこみ、乾燥させ、柔らかい布に少量の水をつけて磨き込む。そしてまたワックスを塗り、磨く。この工程を繰り返すことで、いやらしいまでの艶を得る。これを鏡面仕上げという。このプロセスはとても奥が深く、僕もまだ練習途中である。各自修練してほしい。ワックスはこの商品がオススメだ。


最後に:一番重要なこと
ちなみに、革靴磨きに関していろいろ調べていくと、どの本にも共通した前提条件が記されている。
それは「磨くに値する革靴を手に入れること」である。

革靴 つま先の種類
僕が現在メインに使用している革靴は、スコッチグレイン社のプレーントゥのモデルである。これは僕が高校3年生の卒業式のために祖父に購入してもらったもので、確か3万円弱であった。

厳しい就職面接、友人の結婚式の晴れ舞台、米国でのエクスターンシップなど、多くの重要なイベントを支えてきた。

先週新しく、茶色の新品を下ろした。しかし、愛情込めて磨きこんだことで傷だらけのスコッチグレインにも俄然愛着が湧いてきている。これからも俺のそばにいて欲しいという思いを込めて、来週末は彼のために木製のシューキーパーを買いに行く予定だ(現在は購入時に無料で付いてきたプラスチックのものを使用している)。木製のシューキーパーはしっかりと内部にフィットしてシワを伸ばし、余分な湿気を吸い取ってくれる。本物の革靴には無くてはないものなのだ。

男を磨くなら、革靴を磨け。これは一つの真理であるように思える。
ともに上を目指していこう。